年末に間に合わないとどうなるか?

―――もし12月31日に間に合わなかった場合、どうなるのでしょう?

荻原:年末に申し込んでも、年始に申し込んでも、寄付は1年中できますから、ふるさと納税自体は可能です。ただ12月31日に遅れると、その年は「ふるさと納税」をしなかったことになります。

―――なるほど。たとえば今年の年末に間に合わないと、2022年に寄付したことになるわけですね。

荻原:また年末は、駆け込みの申込者が増えるので、お礼の品の発送が遅れたり、品切れになったりすることもあります。

 ですから、もしどうしても欲しい品があるなら、年末ギリギリに申し込むのではなく、10月~11月くらいには申し込んだ方が良いでしょうね。今はもう12月なので、これは来年の教訓にしてください。

―――商品は毎年同じなんですか?

荻原:自治体はあらゆる決め事を年度、つまり4月から翌年3月という期間で考えます。そのため、お礼の品も4月になると別のものに切り替えられるケースがあります。狙いを定めている品がある人は、これも覚えておくと良いでしょう。

―――人気が集中するのものってありますか?

荻原:お礼の品では「お米」の人気がとりわけ高いですね。お米は9月~10月が収穫時期なので、新米をもらいたいなら、6月前後に申し込む必要がありますし、年末年始に食べるカニやイクラが欲しいなら、11月くらいに申し込む必要があります。食べ物をもらいたい場合は、それぞれの「旬の時期」を把握しておくと、もらいそびれを防げます。

上限額を超えてはいけない

―――他にふるさと納税初心者がやってしまいがちなミスってありますか?

荻原:寄付の上限額は年収によって決まるのですが、この上限額を超えて寄付すると、単なる寄付、単なる高い買い物になってしまいます。これが2つ目の落とし穴。

 たとえば年収が400万円で寄付の上限額が4万2000円なのに、10万円をふるさと納税で寄付したらどうなるか。

 この場合、上限を超えた5万8000円が純粋な寄付になってしまいます。つまり、自己負担分の2000円と、5万8000円の合計額である6万円を財布から出して、3万円相当のお礼の品を受け取ることになりますから、損得で考えれば大きな損になってしまいます。

―――それは避けたい!

荻原:上限額の目安については、ふるさと納税のポータルサイトでシミュレーションができますから、必ず確認してください。

忘れちゃいけない確定申告

荻原:あと、もうひとつ。絶対に忘れてはならないのが「確定申告」。これを忘れると、寄付した金額を税金から控除できなくなります。これが3つ目の落とし穴。

 これにもぜひ注意してください。こちらもふるさと納税のポータルサイトに案内が載っていますから、忘れずに確認してくださいね。

【訂正】記事初出時より以下のように修正しました。2ページ目「上限額を超えてはいけない」の7行目、(1万2600円)→(3万円相当)(21年12月15日14:10 書籍オンライン編集部) 

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「ふるさと納税」で損をする3つの落とし穴荻原博子(おぎわら・ひろこ)
1954(昭和29)年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済のしくみを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『役所は教えてくれない定年前後「お金」の裏ワザ』(SB新書)、『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)、『投資なんか、おやめなさい』『払ってはいけない』(新潮新書)、『私たちはなぜこんなに貧しくなったのか』(文藝春秋)など。
「ふるさと納税」で損をする3つの落とし穴