「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は
「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。

【特別な成果がなくてもいい】頭がいい人と悪い人「転職での職務経歴書に書くこと」の差Photo: Adobe Stock

 転職活動の面接で受かるために、「抜群に秀でた成果」は、実は必要ありません。必要なのは、思考プロセス=「あなただけが知っている仕事の工夫と思考の過程」です。

 でも自分の仕事は普通なので書けることがない……という悩みをよく聞きます。勘違いしている人が多いのですが、大事なのは仕事内容のドラマティックさではなく、必要な要素が抜け漏れなく入っていること。「何を書いたらいいのかわからない」という場合には、「STAR」という便利なフレームワークをおすすめします。

 STARとはもともと、企業の人事が面接で志望者の経歴をチェックするときに使うもの。選考者側が使っている型を利用することで、相手が求めているものを不足なく伝えることができます。

<STAR>
・Situation: 状況、環境、背景、目標、きっかけ、チーム体制など
・Task: 課題、職務、任務、役割、難易度など
・Action: 具体的な行動、その理由、周囲からの助言、創意工夫、軌道修正など
・Result: 結果、成果、学んだこと、今振り返って改善すべきことなど

 STARの4つの要素のなかで、特に重要なのがアクションの「A」です。「Situation(どんな状況だったのか)」「Task(どんな課題・役割を担ったのか)」は会社から与えられていることが多く、正直、ここに僕らの工夫や努力はなかなか関与できません。

 そして採用する側は「Result(どんな結果・成果を導き出したか)」そのものではなく、成果に対して「あなたは」どんな行動を取ったのかを知りたいからです。

 図が、僕の松田電機時代の自己PRを「STAR」でまとめたものです。

 僕は「A」にあたる部分には、あえて自分が大変だったこと、苦労したエピソードを入れるようにしていました。あとの「面接で何を話すか」の部分ともかかわってきますが、苦労をどう克服したか、大変な場面でどんな工夫をしたかにはその人の「仕事のやり方」が表れると思うからです。