「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。
「落ちるから受けない」というメンタルブロックが一番怖い
結論から書きますが、応募した会社に落ちても、実は失うものは特にありません。
二度と応募できなくなることもないし、今働いている会社で評価が下げられることもありません。あなた自身の今の経験やスキルが減ってしまうわけでもない。お金を取られるわけでもありません。しかし多くの人が「落ちるかもしれないから」という理由で、受けることをやめています。
僕はこのメンタルブロックに阻まれている人には、とにかく「受けてみるしかない」と伝えています。書類を出して出して出しまくる。そうすると、平均7~8割落ちます。これに慣れることで、「受からなければならない」というメンタルブロックが徐々に解除できるのです。
僕自身がデロイトに3回目の書類選考で受かったことからもわかるように、一度落ちたからといって、そのことが次の選考にプラスにもマイナスにもなりません。企業側はそのときそのときで、必要な人材を募集しています。あるとき必要だったけれども、2年後だったら受からないということもあるし、その逆もある。どちらも落ちたとしても、スキルを身につけた結果3回目に縁が結ばれることも。受かるかどうかは誰にもわかりませんが、受けなければ受からない。これは厳然とした事実です。
落ちたとしても失うものはない一方で、落ちた経験から「自分に足りないもの」に気づくことはできます。僕が書類選考でどんどん落ちることを推奨する理由は、メンタルブロックを解くという意味と同時に、「受かった理由/落ちた理由」を検証できるからでもあります。ほぼ同じ書類を出して、受かった会社と落ちた会社があれば、何が違うのかを検証できます。また、落ちた理由を転職エージェントに聞けば、それがどうしようもないものなのか、改善して次に生かせるのかもすぐにわかります。