フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏は、ユーザーにもう少し臨場感を味わわせたいと思っている。これが、IT(情報技術)企業が制作したコンセプトビデオの中でも最も精巧な部類の一つに入る動画の中で、ザッカーバーグ氏が力説しているメッセージだ。同氏は80分の動画で、コンピューティングの次のパラダイムシフトになると自らが考える「メタバース」について、会社のビジョンを披露した。この動画や、フェイスブックの「メタ・プラットフォームズ」への社名変更は、「メタバース」というやや曖昧な概念がテクノロジー界で最も注目のワードの一つとなった1年の締めくくりにふさわしいものだった。私たちが現在使用している既存のインターフェースについて、ザッカーバーグ氏が主に不満に感じているのが、「没入感が足りない」という点だ。私たちが友人や同僚とバーチャルで交流するとき、電子メールのスレッドやテキストメッセージ、音声が途切れ途切れで画質の粗いズームのビデオなど、大きく媒介された形で交流している。さらに、そのやり取りは全て2次元(2D)のスクリーンを経由して圧縮され、しかもそのスクリーンは、トランプのカードほどの大きさであることが多い。
メタバース、本当に次の革新的技術なのか?
「臨場感」をもたらすと言うが、その定義は間違っている
有料会員限定
あなたにおすすめ