【相続税の大誤解】「借金すれば得」はウソだった…頭のいい人はどうしている?
本連載は、相続に関する法律や税金の基本から、相続争いの裁判例、税務調査で見られるポイントを学ぶものです。著者は相続専門税理士の橘慶太氏で、相談実績は5000人超。遺言書、相続税・贈与税、不動産、税務調査、各種手続といった観点から相続の現実を伝えています。2024年から始まった「贈与税の新ルール」等、相続の最新トレンドを著書『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋し、お届けします。
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「借金すれば得」はウソだった…頭のいい人はどうしている?
本日は「相続と不動産」についてお話をします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。
ちまたでよく聞く「借金をすれば相続税対策になる」という話を考察していきましょう。結論から言うと、この話は嘘です。
不動産を購入するから相続税が減るのであって、借金やローン自体に相続税を減らす効果があるわけではありません。手元に余裕資金のある人は、手元の預金で不動産を買っても、借金して不動産を買ったとしても、減る相続税の金額は同じです。つまり、相続税対策のために無理にローンを組む必要はないのです。
ローンを組んで不動産を買ってもいい人は?
ただ、生活費や将来の相続税の納税資金を残しつつ、規模の大きめな不動産を買いたい方は、あえてローンを組んで不動産を買うのもよいでしょう。不動産を買うために手元の資金をほとんど使い、相続税の支払いに充てる資金を無くしてしまった場合は、延納(税金の分割払い)か、銀行から借金をして相続税を払うことを選ばなければいけません。
銀行は、相続税を払う目的でもお金を貸してくれますが、一般的にこの場合の金利はかなり高く、年利3~10%前後になることが多いです。ちなみに、延納の利子税は1%前後で銀行の金利よりも安いです。しかし延納は、当面の生活費(3か月分)だけの金銭を残し、それ以外の金銭はすべて納税に充て、それでも賄い切れない部分にだけしか認められません。非常に厳しい制度なのです。
一方、不動産を買うためのローンは、不動産に抵当権を設定される代わりに、金利は比較的安く、自宅として使うなら住宅ローン控除が使え、投資用として使うなら利息は経費として扱えます。相続税を払うための借り入れに比べてかなり得です(相続税を払うための利息は経費にできません)。そういった意味でも、あえてローンを組んで余裕資金を確保しておくのも一つの手ですね。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







