【売って満足は三流】一流営業が「売った後」に必ずすること
「本を読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。

【売って満足は三流】一流営業が「売った後」に必ずすることPhoto: Adobe Stock

できる営業マンが必ずやっていることとは?

 できる営業マンとは何か、優秀な営業マンとは何かというテーマについてお話ししますが、最初に一つだけ前提をお伝えさせてください。私は営業として働いていた期間、いわゆる修行の期間がとても長かったのですが、自分自身を振り返ると「ダメ営業マン」だったと思っています。この点は、あらかじめ押さえておいていただけると嬉しいです。

 本当にダメで、人前に出て即興で話すことがとても苦手でした。今ではVoicyを二年以上継続し、こうして台本なしで話すことにもだいぶ慣れてきましたが、それでも臨機応変に対応して話すことは得意ではありません。場数を踏めば慣れる、センスやアイデアはアートではなくロジックだ、という話もありますし、実際その通りだと思います。ただ、それでも営業という仕事に対しては、いまだに冷や汗をかくような苦手意識があります。

 そんな中で、では自分が理想とする営業マンとはどんな人なのかを、改めて論理的に考えてみました。これは、ダメ営業マンだった私が、ある意味では客観的に、少し経営者寄りの立場で「本当に優秀な営業マンとはこういう人ではないか」と整理したものです。その前提を踏まえたうえで読んでいただければと思います。

ポイント① 買ったことをゴールにしない

 まず一つ目に挙げたい条件は、「買ったことをゴールにしない営業マン」です。これは間違いなく、優秀な営業マンの大きな特徴だと思います。そもそも、買ったことを後悔させない人は、期待値のコントロールが非常にうまいです。商品やプロダクトの良いところだけを伝えるのではなく、デメリットや弱点も含めて正直に伝えたうえで、それでもなお価値がある理由を説明しています。

「こういう問題点がある」「こういうデメリットがある」、しかしそれを上回るこのポイントがあるからこそ、あなたの生活はこう変わります、という形でベネフィットを語ります。そのため、期待値を無理に上げたり下げたりするのではなく、正しい位置に導くことができています。その結果、購入後に後悔が生まれにくくなります。

 さらに、デメリットまで含めて説明してくれる営業マンは、商品だけでなく、その人自身への信頼にもつながります。私自身の経験でも、信頼できる営業マンから購入した商品は、期待通り、あるいは期待通りだったからこそ、使ううちに価値がどんどん膨らみ、最終的には期待を超えるものになることが多かったです。そうした体験ができたとき、自分の決断が間違っていなかったと感じられ、とても嬉しくなります。

 だからこそ、買ったことをゴールにしてアフターフォローを怠るのは論外です。買ったことをスタートとして関係性を続けてくれる営業マンは、本当に優秀だと思います。この点は、まさに人柄が表れる部分でもあります。

 また、「買ったことをゴールにしない」理由はもう一つあります。それは、口コミという最強の広告戦略につながるからです。「満足した」「とても良かった」というレベルではなく、「感動した」と感じたとき、人は自然と誰かに紹介したくなります。涙が出るほど美味しかった料理や、強く心を動かされた体験は、誰かに話したくなるものです。

ポイント② 常に初心でいる

 二つ目の条件は、「初心に帰る人」ではなく、「常に初心な人」です。これは私自身、とても大切にしている考え方です。例えば住宅営業の場合、家は一生に一度買えるかどうか分からないほど高額な買い物です。地方であっても、土地と建物、諸経費を合わせれば三千万円前後になることも珍しくありません。三十五年ローンで組めば、毎月八万円前後を長期間払い続けることになります。

 お客様にとっては人生を左右する大きな決断ですが、営業マン側から見ると、それは数ある案件の中の一つになってしまいます。これは仕方のないことですが、顧客側の熱量と営業側の熱量にズレが生じやすくなります。そのズレが、「あまり一生懸命に見えない」「軽く扱われているように感じる」という印象につながります。

 常に初心な営業マンは、このズレを起こしません。自分が扱っている商品の金額や価値、そして顧客にとっての重みを常に意識しています。これは住宅営業に限らず、法人営業や月額制のプロダクトでも同じです。営業側から見れば安価に感じる商品でも、顧客にとっては大切なお金です。その感覚を忘れず、謙虚さを持ち続けられる人は、とても優秀だと思います。

 初心に「帰る」のではなく、常に初心であり続ける。自分が売っているものの価値を毎日確認できる人は、顧客をがっかりさせることがありません。

ポイント③ 相手の困りごとを言語化する

 三つ目は、「話をしっかり聞いたうえで、こちらの代わりに言語化してくれる人」です。私は営業の本質を、「困りごとの代弁であり、時短」だと考えています。つまり、顧客が自分で考え、調べ、悩む時間を短縮してあげることが営業の価値だという考え方です。

 例えば、家づくりで「モダンな家にしたい」というイメージがあったとしても、具体的に何を選べばよいか分からないことが多いです。それを自分で調べ続ければ、いずれ答えにたどり着くかもしれませんが、その過程には多くの時間と労力がかかります。そこをショートカットし、「この素材やデザインのほうが、イメージを超えられますよ」と提案してくれるのが営業マンの役割だと思います。

 ただし、その前提として、相手の話をきちんと最後まで聞けることが不可欠です。本当に優秀な人は一を聞いて十を理解できますが、それでも相手が十まで話すのを待てる人です。途中で遮られたり、勝手に要約されたりすると、人は強い違和感を覚えます。最後まで聞いたうえで、相手が言葉にできなかった部分を整理し、代わりに言語化してくれる。この姿勢が、信頼につながります。

ポイント④ 当たり前のことを徹底する

 そして四つ目は、当たり前のことを当たり前にできる人です。服装、外見、態度、口調にマイナスがないこと。遅刻をしない、否定しない、身だしなみが整っている、清潔感がある。靴が汚れていない、匂いに気を配っている。これらはすべて加点ではなく、引き算をしないための条件です。

 営業では、プラスを積み上げる前に、マイナスを作らないことが何より重要だと思います。当たり前を当たり前にできる人こそ、信頼の土台をしっかり築ける人です。

(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・取材加筆したものです)