医療従事者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種義務付けを撤回する動きが米病院運営大手の間で広がってきた。連邦判事がバイデン政権の義務化措置を一時的に差し止める判断を下したことが要因だ。病院を運営するHCAヘルスケア、テネット・ヘルスケア、非営利組織のアドベントヘルス、クリーブランド・クリニックはこのほど義務化を撤回した。医療サービス業界の人件費が跳ね上がっているほか、変異株「デルタ株」の感染拡大で入院患者が急増する中、病院側は看護師や技師のほか、用務員の人手を維持することも難しくなっている。病院幹部や公衆衛生当局者、看護師団体は、ワクチン義務化が医療従事者の確保の足かせになっていると指摘している。