――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト
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典型的な株式ファンドマネジャーは、狼の皮をかぶった羊のようなものだ。市場の動きにパッシブ(従順)に追随する一方で、おずおずと少しだけアクティブ(積極的)な賭けを行う。
ウィルモット・H・キッドIII氏(80)はそれと正反対のアプローチをとり、投資史上、屈指の優れた実績を長期にわたって築いてきた。
キッド氏が率いるセントラル・セキュリティーズは、過去20年間の投資パフォーマンスで、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイを上回っている。また過去25年、30年、40年、さらには約50年にわたるS&P500種指数との比較でも、キッド氏の指揮下にあったセントラルが圧倒的に上回っている。
同氏の成功の秘訣(ひけつ)は何か。それは忍耐、集中、勇気だという。
キッド氏は12月31日にセントラルの最高経営責任者(CEO)を退くが、会長職にとどまる。同ファンドの運用資産残高は13億ドル(約1480億円)だ。