米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)に対して、有害コンテンツ対策の強化とガバナンス(企業統治)改善を求める圧力が株主からも強まってきた。
ニューヨーク州退職年金基金やイリノイ州財務長官などの株主で構成する投資家グループは、年次株主会合で検討する8件の株主提案を共同で提起した。
具体的には、有害コンテンツの削減に向けた取締役会の監視、同社が目指すメタバース重視戦略に関するリスク評価、監査およびリスク委員会の見直しなどを求めている。米宗教系機関投資家団体ICCRのイニシアチブ「人権のための投資家連合」が明らかにした。
同グループのメンバーは昨年、独立取締役会長の設置などを盛り込んだ6件の提案を行ったが、株主総会で否決されていた。
メタは二種類の株式を発行するデュアルクラス株式構造を有しており、特定の株主に議決権が集中する仕組みとなっている。マーク・ザッカーバーグ会長兼最高経営責任者(CEO)は議決権の約58%を保有しており、それを行使することで支配を維持できる状況にある。