RJ・スカーリンジ氏は10代の頃、駐車場で車の下をのぞき込んだり、自分の部屋にスペアパーツをため込んだりするなど、自動車業界について勉強しながら成長した。38歳になった今、その業界を破壊したいと考えている。スカーリンジ氏が経営する電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブは、米デトロイトの巨大自動車メーカーに真っ向から挑戦状を突きつけている。先月の新規株式公開(IPO)では、2014年以来の米IPOで最大の資金を調達し、スカーリンジ氏は瞬く間に億万長者となった。リビアンの株価はIPO以来47%上昇し、時価総額はフォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)を上回っている。ライバルであるテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とは異なり、スカーリンジ氏は競合に大きく先んじてスタートを切ったわけではない。リビアンの最初のトラックは、テスラや大手自動車メーカーのEVと競争しなければならない。生産上の課題に直面することも予想されている。三つの新モデルを生産する一方で、従来の自動車ディーラーには頼らず、新たな販売拠点を構築・運営しようとしているためだ。2021年末までに約1000台を納入する計画だが、5万5000人以上の潜在顧客から注文を受けており、今後2年間でその注文を満たす見通しだ。
EV新興リビアンのCEO、IPOまでの軌跡と前途
10代の頃からの自動車愛を大型上場につなげたスカーリンジ氏は、三つの新モデルを同時生産しつつ、し烈な競争を勝ち抜かなければならない
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