米バイデン政権の財政支出計画をめぐる論議の中で、忘れられがちな要素がある。それは、ビルド・バック・ベター(より良い再建)計画の財源が、何千億ドルもの増税によってもたらされるということだ。民主党の約束は、少なくとも法人税については、他の諸国も同様の増税に踏み切るというものだった。したがって米議員らは、ジャネット・イエレン財務長官が説明していない状況を知っておく必要がある。それは、この国際的な法人税改革への合意が、行き詰まる可能性があるということだ。今年6月と10月に飛び交った、世界的な法人税改革の主要合意をたたえる報道発表を額面通りに受け取ったすべての人々にとって、こうした状況は驚きだろう。大手企業への新たな課税ルールをまとめるため、パリの経済協力開発機構(OECD)で行われている複雑な交渉で、問題が起きている。イエレン氏は、法人税の最低税率を15%とすることや、上位100社程度の世界的大企業に対する新たな課税手法を含む提案に同意することで、長年維持されてきた米議会での超党派のコンセンサスを破棄した。