米連邦議会占拠事件。学校閉鎖やワクチン接種義務付けを巡る激しい議論。カリフォルニア州知事のリコール(解職請求)の賛否が問われた住民投票。事態の膠着(こうちゃく)を招いた民主党の内紛。共和党のある有力議員に対しては下院で問責決議案が可決され、もう1人の共和党関係者は議会侮辱罪で訴追された。要するに、2021年に米政治が「正常化」するとの予測は見当違いであったということだ。それどころか、2020年の選挙で政治を揺るがした要因は、ほぼすべてが新しい年に持ち越された。新型コロナウイルス危機がバックミラーの中に消えていくことはなかった。ドナルド・トランプ前大統領と、選挙不正があったとする同氏の誤った主張も同様だ。そして、結束と超党派の復活という公約が果たされることもなかった――その結果生じる痛みを最も受けた指導者はジョー・バイデン大統領である。
米政治が正常化するはずだった年
民主党も共和党も自らの意思を押し通す力はない一方、イデオロギーの二極化で妥協がほぼ不可能に
有料会員限定
あなたにおすすめ