欧州で天然ガス価格の高騰が止まらない。ロシアがウクライナ国境に軍隊を集結していることで供給寸断のリスクが意識されているほか、冬場を迎え、寒気到来によるガス需要の増加が押し上げ要因となっている。今週の天然ガス価格は過去最高値を更新。ドイツやフランス、英国では電力市場が異例の水準まで跳ね上がっている。ウクライナ国境付近でロシア軍が部隊を増強したことで、春までにロシア産ガスが大量に供給されるとの期待はしぼんでいる。米国では2022年初頭までにロシアがウクライナ侵攻に踏み切る準備を進めていると警戒している。欧州で指標となるガス価格は1年前から7倍以上となり、メガワット時(MWh)当たり127.77ユーロまで上昇した。過去1週間には25%余り値上がりしている。ガス不足が長引くとの予想を反映し、先物相場は期近物に歩調を合わせるように、2022年以降に期限を迎える期先物も連れ高となっている。
欧州エネルギー危機、ウクライナ緊迫化で拍車
冬の到来とロシアのウクライナ侵攻懸念で天然ガス価格が高騰
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