コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の旅行編だ。
HIS、近ツー…取扱高増加率の反動増で窮地
実態値の「惨状」とは?
旅行の主要3社が発表した2021年7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯HIS(エイチ・アイ・エス)の旅行総取扱高
7月度:前年同月比213.6%(113.6%増)
8月度:同175.9%(75.9%増)
9月度:同123.4%(23.4%増)
◯近畿日本ツーリスト(KNT-CT ホールディングス〈HD〉)の取扱額実績
7月度:前年同月比244.7%(144.7%増)
8月度:同391.5%(291.5%増)
9月度:同156.7%(56.7%増)
◯阪急交通社(阪急阪神ホールディングス〈HD〉)の総取扱高
7月度:前年同月比620.1%(520.1%増)
8月度:同277.6%(177.6%増)
9月度:同78.3%(21.7%減)
9月において、HISと近畿日本ツーリストは前年実績を大幅に超えた。HISは前年同月比123.4%(23.4%増)と、前年実績の1.2倍以上。近畿日本ツーリストは同156.7%(56.7%増)と、前年実績の1.5倍以上の実績だった。しかし、これは前年の反動増の影響が大きく、旅行業界を取り巻く環境は依然として厳しい。次ページでは、各社の惨状が分かる実態値を確認しよう。