消費者が実際に購入できるドライバーレスカーが、現実のものとなりつつある。米電気自動車(EV)大手テスラの投資家が特に注意しなければならないのは、これは特定の自動車ブランドが勝つレースではないということだ。ラスベガスで今週開催されているセミバーチャル式の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では、予想通りEVが主役となったが、脇役の自律走行車も注目を集めた。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は5日の基調講演で、自社チームが「早ければ20年代半ばにも」消費者向けのドライバーレスカーを提供することを目標としていると述べた。一方、中国の吉利汽車(ジーリー)はさらに早く提供したい考えだ。米半導体大手インテル傘下のモービルアイは4日、「レベル4」の自動運転機能を備えた車両を2024年に発売するため、ジーリーの新EVブランド「Zeekr(ジーカー)」と協力していると述べた。モービルアイは年内に少数株の新規株式公開(IPO)を計画している。レベル4は、天候や地理的境界など一定の条件下でドライバーの操作を必要としない。両社はこれが世界初の民生用車両になると期待している。タクシー用に作られたレベル4車両のいわゆるロボタクシーは、ごく少数ではあるが、既に米国と中国で路上走行している。