ヌルスルタン・ナザルバエフ氏はカザフスタンの初代大統領に就任した1990年以降、両にらみの路線で国家運営を行ってきた。国内では、カザフ人のアイデンティティーを強化し、ロシアの歴史的な影響を薄めるよう尽力してきた。しかしながら、外交・国防政策に関しては、ロシア政府に従順な姿勢を示し、カザフスタンは常に戦略的な同盟国であり続けるとロシアに確約した。こうした微妙なかじ取りはカザフスタンにとって奏功していた――これまでは。ロシアはカザフスタン内の複数の親ロシア派地域において、表だって分離・独立の動きを促進しようとしたことはない。これは他の旧ソ連圏の隣国に対して総じてみせている態度とは一線を画す。カザフスタンは石油・ガス収入のおかげで、国民当たりの国内総生産(GDP)水準でマレーシアやメキシコにほぼ匹敵しており、国家として今後も安泰で、存続できるとの印象を強めていた。
カザフ暴動とロシアの介入、微妙な関係に亀裂も
ロシアは軍部隊を派遣 情勢が一気に緊迫化する恐れも
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