米バイオ医薬品大手バイオジェンは10年以上にわたり、アルツハイマー病の新薬の開発に取り組んでいた。その薬は、年間売上高が10億ドルを超える「ブロックバスター」になる可能性があるとみられていた。  初期の臨床試験(治験)の結果は非常に良好で、バイオジェンは薬事承認に向けて残りの治験を急いだ。米国では600万人がアルツハイマー病を患っており、その進行を遅らせる薬が約20年ぶりに販売される可能性が高まったことで、同社の株価は急騰した。  しかしその後、バイオジェンは考えを一転。治験を突然中止する異例の決断を下し、この薬は有効ではないと発表した。