米ロ政府は10日、ロシアによるウクライナ国境付近への軍集結を巡って開かれた安全保障対話について、歩み寄りは見られなかったと明らかにした。会談はスイスのジュネーブで行われた。米側代表のウェンディ・シャーマン国務副長官は会談後、「まだ始まったばかりで、どこに向かっているかは見通せない」と語った。話し合いは「真摯(しんし)で明快、ビジネスライクで率直」なものだったという。一方で、ロシアが対話終了後に国境付近の軍縮小を進める用意があるのか、またロシア政府が交渉を続ける意図があるのかさえ不透明との見方を示し、「先は長い」と述べた。ロシア側のセルゲイ・リャプコフ外務次官は会談について「困難で、長く、非常に専門的、かつ具体的で飾り立てることなく、また難しい局面を避けようともしない」話し合いだったとした上で、「主な問題は手付かずで、米国にはわれわれが満足する形で問題を解決しようとする姿勢がうかがえない」と述べた。
米ロ対話、歩み寄り見られず ウクライナ国境の軍集結巡り
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