暗号資産(仮想通貨)の技術がここにきて、温暖化ガス排出枠(クレジット)の取引市場でも注目を集めつつある。ここ数カ月間に数百万の炭素クレジットが新たに誕生した仮想通貨トークンにデジタル上でひも付けされ、流通市場から取り除かれた。市場関係者からは、透明性の向上につながるとともに、気候変動対策プロジェクトの促進に寄与するとして期待する声が上がる。一方で、懐疑的な見方も根強い。排出量の相殺を目指す企業の多くは、地球温暖化ガスの削減に相当するクレジットを購入する。各クレジットはそれぞれ二酸化炭素(CO2)1トンに匹敵し、気候変動対策の効果について第三者による認証を受けた植樹や再生可能エネルギー施設の建設といったプロジェクトに基づく。クレジットは非公式の市場で取引されており、炭素削減の度合いによって異なる値段がつく仕組みになっている。