市場の格言に、株式市場はさまざまな株が取引される市場でもある、というものがある。それは多くの個別銘柄の集合体であり、個別銘柄それぞれの動きがあるということだ。同様に、消費者物価指数(CPI)は多様な物価が集まった指数でもある。インフレは、財やサービスを供給する経済の生産力を総支出が上回った結果(マクロ経済)であると同時に、個々の産業における特異な作用の結果(ミクロ経済)でもある。12月の米インフレ率が7%に達し、1982年以来の高水準となったのは、マクロ経済が原因なのか、それともミクロ経済が原因なのか。それこそが現在、最も差し迫った経済の疑問なのかもしれない。一部の民主党議員はこのところ、ミクロ経済的な説明に強く傾倒し、道義的な問題も重ね合わせている。