今年これまでの市場の状況は、1点において昨年と非常に似ている。指標となる10年物米国債の利回りの上昇率が、昨年と全く同じく0.2ポイントを若干上回る水準にあることだ。しかし、ほとんどの点で今年と昨年は全く異なる。昨年は激しい投機が報われたが、今年は流行の銘柄に投資した人々が痛手を受けている。新型コロナウイルス禍に伴う混乱の後、正常に戻りつつあるように見える市場の動向には、以下のような三つの流れがあり、長期的パターンには変化の可能性がひとつ見える。・株価・株価 株価の水準は、再び重要でなくなった。昨年1月初めには、低位株に買いが集中するという例外的状況が起きた。これは、無知な投資家の市場参入を示唆する。株価はそれ自体では何も意味しない。収益や資産との関連でのみ意味を持つ。従って、株価のパフォーマンスは株価水準と関連付けられるべきではない。しかし1年前には、株価そのものがパフォーマンスを左右する最大の要素だった。恐らくその背景には、まだ基本を学んでいない新たな個人投資家の市場参入があったと思われる。