午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が1月12日に発売に。
22年1月15日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーでは、石井アナが出演し、本書の会話のテクニックは石井アナがこれまで会った「すごい人」たちから学んだものであることを告白。前田敦子さんにほめられた経験からヒントを得た「ひとりごとほめ」を小林麗菜リポーターに伝授し、 相手に喜んでもらい、場の雰囲気をよくして、結果的に自分も得になるほめテクを自ら演技指導した!
効果絶大な「ひとりごとほめ」のテクニック
本書の中で多くのページを割いて説明している「ほめテク」の中から、今回石井アナが伝授したのは、「ひとりごとほめ」というマル秘テク。
実はこのテクニックに石井アナが気づいたのは、女優の前田敦子さんが「ゴゴスマ」に出演された時だそう。取材が終わりスタジオから出て行かれるときに、前田さんが「あのアナウンサーさん、時間ぴったりですごかったね・・・」的なことを、つぶやかれていたのが聞こえ、天にも昇るような嬉しさに。
その、ひとりごとのようなほめ方が、めちゃくちゃホンネ感があり、「ひとりごとほめ」というテクニックを思いついたという。
ここでは、本書の中から、その効果絶大な「ひとりごとほめ」について解説しましょう。簡単にいえば、「ひとりごとを装ったつぶやきでほめる」という、地味だけど高度なテクニックです。
たとえば、偉い人との会食の後で、座敷を出て靴を履きながら「いやー、今日はものすごく勉強になったなー」と、聞こえるようにひとりごとを言う。飲み会の帰り際に思わず口から出たという感じで「今日は楽しかったなあ」のひとことを残す……。
あるいは打ち合わせの後に「いやー、今日の打ち合わせは、ほんとよかったな」と、ひとりごとだけど、スタッフの耳に入るようにつぶやく。取材が終わって荷物を片付けながら「すごくいい話が聞けたなあ」……。
わざとらしく思われないか心配? いや、わざとだと思われてもいいんです。相手も「あれっ? 今のひとりごとかな? でも喜んでもらってるみたいで嬉しい」と思ってくれるでしょう。
間接ほめで「三方よし」を目指す
さらにもっと高等戦術が、「間接ほめ」です。「ひとりごとほめ」ですらちょっと照れ臭い、という人でも使えます。
たとえば、Aさんが書いた企画書をほめたい時。Aさんを直接ほめるのではなくて、Aさんが書いたことを知っていながら、知らんぷりしてこう聞きます。
「これ、誰が書いたの? すごくいいね!」
Aさんが「僕です」と言ってきたら、「そうなん! めっちゃいいね!」と驚きも込めつつ、さらにほめる。ワンクッションを挟んでいるから、Aさん個人をほめるだけじゃなく「Aさんの仕事」への評価も伝えることができます。
ワンクッションを第三者にする場合もあります。
BさんからAさんに「石井さんが、あなたのことほめてたよ」と伝わると、Aさんは嬉しいだけでなく、それを伝えてくれたBさんへの感謝も生まれます。
「教えてもらって、ありがとうございます! Bさん、やさしいですよね」となれば、3人全員が幸せ。
まさに、間接ほめによる「三方よし」状態が出来上がります。