現状の株価水準は「陰の極」か長期では注目の銀行セクター

 大量増資で株価の調整が続く銀行セクター。株価が2003年4月の水準に近づいてきた。金融マーケットの長期低迷や厳しい業界環境など当時と類似点も多いことから、今の株価水準が陰の極で長期的に注目できるかもしれない。

 世界の株式市場が堅調に推移しているなか、東京株式市場が出遅れている。その要因の1つに挙げられているのが銀行セクターの大量増資だ。

 バーゼル銀行監督委員会が09年内にも細部を決める、銀行の自己資本比率規制の変更が背景にある。中核的自己資本(Tier1)から優先株と優先出資証券を除いたコアTier1の比率を6%以上にする方向で議論が進められている模様だ。