米経済は10-12月期に持ち直した。それが実現したのは重要だが、どのように実現したかも同じくらいに重要だ。米商務省が27日発表した10-12月期国内総生産(GDP)は、インフレ調整後で年率6.9%の伸びを記録した。これは7-9月期の2.3%を大幅に上回り、エコノミスト予想の5.5%もしのぐ伸びだった。GDPの伸びが加速した理由の一つに、米国人の消費意欲の高まりがある。個人消費は10-12月期に3.3%増と、7-9月期の2%増を上回った。しかし、GDPを押し上げた最も重要な要因は在庫の増加であり、これは成長に4.9ポイント寄与した。言い換えれば、米企業の10-12月期の生産が販売を上回ったということで、GDPは生産の指標なのでプラスとなった。通常、このように在庫が急増すると、企業は余分な在庫を取り崩して生産量を減らし、すぐに反動が起こるのではないかと心配になるものだ。だが、新型コロナウイルス感染流行中は商品需要が急増し、サプライチェーン(供給網)問題で生産が妨げられたため、在庫は激減した。例えば、11月時点の小売業者の在庫は1.1カ月分だった。コロナ前の売上高在庫比率は1.4だった。