ウォール街では夏までに原油相場がバレル当たり100ドルの大台に乗せるとの見方が広がっている。100ドルの節目に届けば2014年夏以来だ。その後は石油輸出国機構(OPEC)が米シェール業者に価格競争を仕掛けたことで、数年にわたる急落の憂き目にあった。新型コロナウイルス流行初期も、未踏の領域まで暴落した。だが、昨年は50%余りの値上がりとなってスランプを脱出。石油関連銘柄は株式市場全体をけん引した。米原油先物は年初からさらに15%上昇し、27日の取引をバレル当たり88.61ドルで終えている。原油の国際指標となる北海ブレントの終値は89.34ドルと、年明けから同じく約15%上昇している。S&P500種指数の業種別指数ではエネルギーが27日までに19%値上がりと、年初来で唯一、プラス圏にとどまっている。