1年前に政権の座に就いたジョー・バイデン米大統領が、主として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応に力を注いでいたら、現状はどうなっていただろうか。ワクチンを供給し、新型コロナの治療法開発を加速させ、経済の自力での急回復を促していたらどうなっていただろうか。3月に成立した1兆9000億ドル(約219兆円)の「救済」法案も、新たな増税や米国社会の「変革」のための支出といった脅威もなかったはずだ。米経済は、インフレ率がもっと低い、より健全な状態になっていただろうか。供給不足は緩和され、消費者と企業の景気信頼感はもっと高くなっていただろうか。それは誰にも分からないが、そうなっていたと考えられる確かな理由がある。それは、2021年の国内総生産(GDP)伸び率が5.7%に達したとする米商務省・経済分析局(BEA)の27日の報告をわれわれが分析した結果、分かったことだ。
【社説】米経済は今より健全だったはず
バイデン氏が余計なことをしなければ
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