米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ごく限られた数のモデルしか販売しなくても世界有数の自動車メーカーの仲間入りができると考えている。購入者を引きつけるには多様な最新モデルが必要という、昔からの自動車業界の通念に挑む格好だ。これは、EVの競争がかつてなく激化する中、マスク氏が業界の慣行を破ろうとする新たな例となる。マスク氏が先週明らかにしたところでは、テスラは納車台数の年平均50%増を目指すが、2022年に新モデルを市場に投入する計画はない。待望のピックアップトラック「サイバートラック」の生産は2023年に延期しており、予告していた2万5000ドルのEV大衆車の開発も進めていないという。