仏高級ブランドのシャネルが今月、赤いカメリア(ツバキ)を使った新作スキンケアシリーズの宣伝を開始すると、反発した中国の国産ブランドがアジア原産であるツバキの花をシャネルが私物化しようとしているとかみついた。
林清軒(フォレスト・キャビン)の創業者、孫来春氏は中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」で、「中国人女性の美を守るために全力を尽くす。戦友よ、共にこの戦いに勝利しよう」と息巻いた。この投稿は瞬く間に1億回近く視聴され、欧米ブランドに消費者が反旗をひるがえすという、今では見慣れた光景が再び繰り広げられるかに見えた。
ところが、現実には消費者の反発は広がらなかった。ウェイボーではむしろ、孫氏をばかにする反応が目立ち、シャネルを擁護するユーザーもいた。
「自分のいくさを戦うのに、ネット市民を利用するのはやめろ」。あるユーザーは孫氏にこうやり返した。孫氏と林清軒はコメントを拒否した。
シャネルは声明文で「当社はスキンケア製品開発に関する孫氏の実績と専門知識に敬意を払っている」としながらも、ツバキは「数世紀にわたり化粧品に使われてきた」とし、「世界各国で複数のスキンケアブランドが使用している」と指摘した。