アップルが10-12月期(第1四半期)に過去最高の収益をたたき出したのは、中国から再び追い風が吹いたことが大きい。国産ブランドの華為技術(ファーウェイ)は、米国の制裁措置であえなく市場シェアを奪われており、その隙を突いて「iPhone 13(アイフォーン13)」が中国消費者の心をつかんだ。
アップルによると、10-12月の大中華圏売上高は21%増の258億ドル(約2兆9700億円)。一方、総売上高は11%増の1240億ドルと、過去およそ1年で最も低い伸びとなっており、中国事業の好調ぶりが際立つ。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)はインタビューで「製品が共感を生んでいる」と述べた。
アップルは2019年1月、iPhone中国販売の低迷を理由に、異例の業績見通しの引き下げを余儀なくされた経緯があり、同社とクック氏にとって、中国での返り咲きは悲願達成と言えそうだ。
アップルは当時、廉価ながらも技術力を着実に上げていたファーウェイとの激しい競争にさらされていた。そこに米中の貿易摩擦が追い打ちとなって中国経済に急ブレーキがかかり、アップルの苦境が深まった。