企業の重要な意思決定の支援に人工知能(AI)が使用されることに、米規制当局は長い間慎重な姿勢を見せてきた。特に人間のバイアス(偏った見方)が助長される可能性があるとしている。だが、多くの企業で労働力不足による人材の雇用が急務となっている中で、AIはリスクが高いどころか、企業の採用業務において迅速かつ公正な判断を可能にするものだと肯定派は主張している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と同時に起きた労働力の大規模な再編、いわゆる「大量退職」は、現在も企業にとって切実な問題だ。企業経営陣を対象とした調査では、人材確保の問題は依然として最も差し迫ったリスクの一つとなっている。アルゴリズムは人間のバイアスを効果的に学習し、それを助長する可能性があるとして、規制当局や専門家が以前から警鐘を鳴らしている。にもかかわらず、多くの企業が採用活動を強化するためにAIに注目している。