米飲料大手コカ・コーラは1世紀近くオリンピックのサポーター役を務めてきた。また中国は、同社にとって米国、メキシコに次ぐ世界3位の市場だ。北京2022冬季五輪の開幕を前に、同社が抱えるジレンマは、ある面では欧米スポンサーに共通する課題であり、ある面では明確に異なる。コカ・コーラの中国事業とオリンピックへの向き合い方をまとめた。中国との絆深まる中国との絆深まるコカ・コーラは2019年、ノンアルコール飲料の五輪公式スポンサーを、2032年まで中国蒙牛乳業と共同で務める契約に署名した。コカ・コーラのジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)はスイスで開かれた記者会見で、蒙牛乳業CEOの隣に立ち、この提携を「深遠なパートナーシップ」だとたたえた。北京冬季五輪は、共同スポンサーとして臨む初の大会となる。コカ・コーラはこの12年間契約で、国有食品大手を筆頭株主に持つ中国企業との絆を深めることになる。権利料やマーケティングなどを含め、両社合計でこの契約に20億ドル(2287億円)を超える費用がかかったと、事情に詳しい複数の関係者は話す。