欧州国債の利回りが数カ月ぶりの水準に上昇している。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が3日、インフレが予想以上に高進し、かつ長期化していると指摘し、年内の利上げに道を開いたことがきっかけだ。市場では、ユーロ圏の一部の国が借り入れコストの上昇を乗り切れるかどうか懸念が高まっている。指標のドイツ10年債利回りは4日、0.2%に上昇。約3年ぶりの高水準となり、過去数年にわたりマイナス圏にあった利回りはここにきてプラス圏で推移している。米雇用統計が予想以上に強い内容だったことも一因となり、国債利回りの上昇は世界的に波及している。週の初めに1.25%だったイタリア10年債利回りは3日、2020年12月以来の上昇幅を記録し、4日には1.75%を突破。イタリア国債とドイツ国債の利回りスプレッドは1年6カ月以上ぶりの大きさに拡大した。