「中国の工業化」を利用できず韓国に抜かれた日本の大失策韓国は産業構造を高め中国などとの国際分業体制を構築した(仁川のコンテナ) Photo:PIXTA

日本は安い中国製品との競合で
米国の輸入中のシェアが急低下

 日本の産業構造は40年前から基本的には変わらない。それに対して、韓国の産業構造はめざましく高度化している。

 これは貿易構造にはっきりと現れている。

 1990年代に中国の工業化が軌道に乗り、安い労働力で生産した輸出品を大量に輸出し始めた。それによって先進国の輸出産業が大きな影響を受けた。最も大きな影響を受けたのが日本だった。

 アメリカの輸入国のシェアを見ると、中国が急拡大し、日本が急低下したことが分かる。

 91年に日本のシェアは18.8%であり、中国は4.0%にすぎなかった。しかし、2019年には日本のシェアは5.7%にまで下がり中国のシェアが18.4%にまで高まった。日本と中国の相対関係がちょうど逆転してしまった。

 日本の輸出品に中国製品と競合するものがあったから、排除され減少したのだ。

 日本は円安によって安値の中国製品に対抗しようとしたのだが、とてもできなかった。その半面で、日本からの新しい輸出品は登場しなかった。