韓国政府の傍観姿勢を
次期大統領候補者たちが非難

 韓服論争にたいしては、ロイターが「キムチや韓服と呼ばれる韓国の伝統衣装など、韓国文化の一面の起源が中国にあるという最近の中国人の主張に韓国が激怒した」と報じ、CNNも「韓国人はこうしたことに長い間イライラを感じてきた」と伝えている。外信のこうした報道は、興味本位の部分があるとはいえ、中国による周辺国への侮辱的姿勢を懸念したものであろう。

 こうした中国の姿勢に対し、韓国の次期大統領選の候補者たちも一斉に批判している。

 与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏は「文化を欲しがるな。文化工程反対」とSNSに投稿した。

 最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏は「いったい大韓民国をどれだけ軽く見れば、全世界の人々が見守るオリンピック開会式で、文化工程をこれ見よがしに広げて見せられるのか」として政府の対応を促した。

 また、野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏は「韓服は大韓民国の文化。中国当局に話す。漢服でなく韓服だ」と述べた。

 しかし、韓国政府の反応は鈍い。

 外交部当局者は6日、韓服問題に関連し「韓服が世界に認められている韓国の代表的な文化の一つという点に再論の余地はない。中国側に固有の文化に対する尊重と文化的多様性に基づいた理解増進が必要だとの立場を持続的に伝えており、こうした努力を継続していく予定」と述べたが、中国への直接的抗議には言及しなかった。

 青瓦台の反応はもっと鈍い。

 開会式から3日がたって「韓服が韓国の伝統服飾文化ということは全世界が認める」「関連官庁で動向を注視している」と述べただけである。

 仮定の話はあまりするべきではないが、仮に文在寅大統領が北京オリンピックに参加し、韓服を目撃していたなら、国内からいかに大きな反発を受けたか、今は胸をなで下ろしていることだろう。

 韓国政府のこうした弱腰姿勢が、中国の「東北工程」「文化工程」を一層露骨にさせていることを文政権は理解しているのであろうか。国内におけるネロナンブル(自分がやればロマンス、他人がすれば不倫という二重基準)と、国際的には日中に対する露骨な対応の違い、それが韓国の国際的評価を低下させていることに気付かないのだろうか。