米テキサス州ヒューストン在住の音楽マスタリングエンジニア、クリス・ロングウッドさん(35)は、新アルバムの発売準備で世界中のアーティストとビデオ会議システム「ズーム」で何時間も打ち合わせしたり、電子メールをやり取りしたりしている。いつかバーチャルな音楽スタジオで彼らと会い、リアルタイムにトラックを編集できるようになる日を楽しみにしている。「顧客がヘッドセットやメガネを装着し、私と一緒にスタジオにいるように感じられる未来を夢見ている」。ロングウッドさんはこう話す。「ズームのときのように1人ずつ順番に話すのではなく、会話らしい会話ができるようになるかもしれない」それは近くSFの世界の出来事ではなくなるだろう。テクノロジーの未来を先取りする人たちが、「メタバース」と呼ぶ発展途上の世界に関して思い描いているのが、まさにそうしたシナリオだ。同僚や顧客とチャット以上のことをするために会う必要がある際には、物理的に同じ部屋にいるように感じられるほどリアルな仮想空間にログインし、実物そっくりのアバター姿で顔を合わせるようになるだろう。実際の手に特殊なグローブを着け、バーチャルな機械や布などの物を触ったり、操作したりできるようにもなるだろう。
メタバース、働き方をどう変える
リアルに感じられる空間で会議をしたり、新たな職種がもたらされたりする可能性
有料会員限定
あなたにおすすめ