ウクライナ危機と欧州の安全保障についてのロシアの要求を巡り、このところ欧州首脳らのシャトル外交が活発化している。狙いは地元欧州での紛争の解決に主導的役割を果たすことだ。エマニュエル・マクロン仏大統領は7日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、8日にはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と、相次いで会談した。一方、ホワイトハウスから戻ったばかりのオラフ・ショルツ独首相は、来週マクロン氏に続いてプーチン、ゼレンスキー両氏と会談する予定だ。リズ・トラス英外相は9日にモスクワを訪問し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談する。首脳陣は欧州がロシアとの終わりのない紛争に引きずりこまれ、冷戦後に確立した安保体制が崩壊するような事態を避けたい考え。欧州当局者は、ロシアのウクライナ侵攻は現実的な脅威だが、両国間に緊張緩和の兆しもみられるとしている。