ロシアはウクライナ国境付近で軍の増強を進めており、その中には最も強力な兵器システムも含まれている。これによりロシア軍は多方面からウクライナ軍を攻撃できるため、ウクライナの防衛能力は非常に薄く分散される恐れがある。ここ数週間で加速したロシア軍部隊の増派はウクライナ周辺の3方面(ベラルーシ、ロシア西方、クリミアと黒海艦隊)で進められている。そこには幾つかの最精鋭の大隊・特殊部隊・ウクライナ全土を射程内に捉える能力を備えた地対地ミサイルなどが含まれる。米国の分析によれば、ロシア軍の兵力は3方面で13万人以上に達しているが、それでもウクライナ全土を掌握・占領するには少なすぎる。また複数の専門家は、10年以上前にチェチェンで行われたロシア軍の戦闘や、より最近の例ではイラクの都市モスルで起きた米国・パートナー諸国と過激派組織イスラム国(IS)戦闘員の交戦からも分かるように、都市部の戦闘に課題が残るとしている。