「雄牛が宮殿に来たとき、彼は王様にはならず、宮殿が家畜小屋になる」。トルコのジャーナリスト、セデフ・カバス氏は先月テレビでこう発言した。すると、この国は刑務所になった。彼女の発言がレジェプ・タイップ・エルドアン大統領を侮辱したと解釈されたためだ。警察は1月下旬にカバス氏を逮捕。トルコメディアによると、同氏はエルドアン大統領と政府高官2人を批判したとして最長11年の禁錮刑に直面している。大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン局長はこうツイートした。「わが国に長年にわたり多大な貢献をしている大統領を、表現の自由の名の下に侮辱するのは誰の役目でもない」こういう仕打ちは、トルコの独裁者(strongman)である大統領にとって習慣になっている。ロイター通信が同国司法省のデータを調べたところ、エルドアン氏が大統領に就任した2014年以降、16万人以上が捜査の対象になり、3万5500人以上が大統領侮辱の罪で有罪となっている。