米著名投資家のカール・アイカーン氏は資本主義が破綻していると言う。その根拠は? 同氏の巨額の財産だ。アイカーン氏は、自身の人生とキャリアに焦点を当てた米HBOの新作ドキュメンタリー映画で、「これだけのお金を稼げたのはシステムがひどすぎるからだ。私が天才だからではない」と語っている。ウォール街での戦いに明け暮れた人生で160億ドル(約1兆8500億円)超の資産を手にした同氏は、株式投資家に1兆ドルを超える値上がり益をもたらすことができたのは、企業経営者が真の民主主義をありがたく思っていないからだと言う。アイカーン氏は50年余りにわたって米実業界の中心的存在であり、対立を引き起こす存在でもあった。この映画「アイカーン:落ち着きのない億万長者」は、同氏の86歳の誕生日を翌日に控えた15日から配信される。映画には、高齢ではあるが、企業にとって何が問題かという点で持論を曲げないアイカーン氏が映し出されている。アイカーン氏は株主利益の向上のみを容赦なく追求し、最高経営責任者(CEO)や取締役会を威圧して思い通りに操るというキャリアを過ごしてきた。