米国が最後に枢軸諸国の戦略的脅威に直面してから、既に75年以上の年月が流れた。結果的にこの枢軸がうまく機能しなかったのは幸運だった。機能していれば、日本とドイツの最初の組織的攻撃対象は、米国ではなくソビエト連邦になっていただろう。われわれがいま戦略的に敵対するロシアと中国は枢軸ではない。両国は現在、非スターリン化に伴う共産圏の分裂以来、最も緊密なアンタント(協商)関係にある。協商とは、一部の利益、目標を共有し、支持や連携を表明するといった関係のことであり、相互の友好関係よりは緊密だが、完全な同盟よりは明らかに緩い枠組みだ。第1次大戦前のロシア、フランス、英国による三国協商は、近世の協商の典型である。
【寄稿】中ロの脅威、両国の協商で何倍にも拡大
米国が一方を重視し他方を無視すれば危険は高まる
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