ドル高に賭けている投資家は安心して構わない。欧州中央銀行(ECB)が利上げを積極的に進める構えだとしても、そのことが利上げを難しくしているからだ。投資家にとってドルはこれまで、上昇が見込める数少ない投資対象だったが、2月は対ユーロで下落している。ユーロ圏の利上げ観測が米国のそれに追い付きつつあるからだ。ドイツとオランダの中央銀行総裁は最近、ECBによる2022年中の利上げに支持を表明した。バンク・オブ・アメリカの最新の世界投資家調査では、資産運用会社がドルを敬遠しつつあることが明らかになった。だが、投資家が注視すべき指標は他にもある。ドイツと南欧諸国の国債の利回り差(スプレッド)だ。それが拡大し過ぎれば、ECBは利上げに踏み切りにくくなる。
ECBの利上げ、「言うは易し」の理由とは
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