明治機械株式会社 臨時株主総会における当社取締役会の意見についてPhoto by Yasuo Katatae

製粉・飼料製造プラント大手の明治機械で、筆頭株主である日本コンベヤが臨時株主総会召集を請求し、会計上の疑惑の追及などを含めた四つの株主提案を行っている。一部議案をめぐって会社側と筆頭株主の対立が深まり、泥仕合の様相を呈している。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

老舗プラントメーカー明治機械で
前社長と現経営陣の内紛勃発

 明治機械は製粉・飼料製造プラントを製造する大手メーカー。現在東証2部上場で、創業123年目を迎えた老舗企業だ。

 その歴史ある企業で、筆頭株主と経営陣との間で対立が深まり、筆頭株主が臨時株主総会の招集を請求する事態に発展している。

 対立が表面化したのは、2021年6月の明治機械定時株主総会だった。

 まず筆頭株主の日本コンベヤは、現経営陣の続投議案に反対を表明した。当然だろう。明治機械は20年3月期と21年3月期に、2期連続で最終赤字だったからだ。16年6月から明治機械の社長を務めていた中尾俊哉氏は定時株主総会後に退任することになっていたが、旧経営陣の大半が残る状況では、業績改善は見込めないと判断したのだろう。

 結局、旧経営陣の大半が残る現体制で22年3月期がスタートしたが、業績は一向に上向いていない。22年3月期第3四半期は、売上高50億8100万円(前年同期比45.7%減)、営業利益は1600万円の赤字(前年同期は4000万円の黒字)である。

 加えて日本コンベヤは、定時株主総会の質疑応答で、会社が21年3月期に計上した9億4100万円の工事損失引当金繰入額、工事遅延損害金、貸倒引当金繰入額及び棚卸し試算評価損について、計上の経緯について質問した。

 この質問に対する答えが、現在の泥仕合につながる引き金となった。