混沌とした世界で冷静に投資する方法Photo:Anadolu Agency/gettyimages

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

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 世界が大混乱に陥ると、極めて明快な見解には実に安心感を覚えるものだ。ところが、まさにこの状況に置かれた今こそ、投資家は確実だと思われる見方に対し、普段以上に懐疑的になる必要がある。

 ロシアがウクライナへの激しい攻撃を開始して以降、筆者の電子メールには証券各社から「次にどうすべきか」に関するリポートが山のように寄せられている――生活必需品株を買って、欧州・台湾株を売れ。石油タンカーやパラジウムは買い。暗号資産(仮想通貨)のビットコインは売り、金(きん)は買いだが、債券は売り、といった具合だ。

 しかし、次の点に留意してほしい。わずか数週間前まで、欧州を中心とする政治家の多くは、侵攻への懸念は行きすぎだと考えていた。金融市場でも、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて3月の会合で0.5ポイントの利上げに踏み切るとの確信がプロ投資家の間では広がっていた。

 ところが、ロシアの侵攻がそのような確実性を打ち砕いた。戦争によって秩序が乱れた世界において、米経済は大幅な利上げには持ちこたえられないかもしれない。