住宅Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大和ハウス工業、積水ハウス、積水化学工業の「住宅メーカー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

住宅メーカー3社は
いずれも前年同期比で増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は21年8~12月の直近四半期(積水ハウスは21年8~10月期、大和ハウス工業、積水化学工業は21年10~12月期)の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大和ハウス工業
 増収率:6.5%(四半期の売上高1兆1050億円)
・積水ハウス
 増収率:3.4%(四半期の売上高6212億円)
・積水化学工業
 増収率:9.1%(四半期の売上高2907億円)

※大和ハウス工業、積水化学工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 いずれも前年同期比で増収となった住宅メーカー3社。特に積水化学工業は9%超の高い増収率を記録しているが、この要因は何だったのか。次ページ以降でデータを交えて、詳しく解説する。