コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は住宅メーカー業界の大和ハウス工業、積水ハウス、積水化学工業の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
住宅メーカー3社は
前年同期比増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は21年5~9月の直近四半期(積水ハウスは21年5~7月期、大和ハウス工業、積水化学工業は21年7~9月期)の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大和ハウス工業
増収率:4.5%(四半期の売上高1兆1215億円)
・積水ハウス
増収率:7.9%(四半期の売上高6150億円)
・積水化学工業
増収率:8.7%(四半期の売上高2993億円)
※大和ハウス工業、積水化学工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない数字を用いている。
住宅メーカー3社の四半期増収率(前年同期比)は、いずれもプラスとなった。増収の要因とは何だったのか。また今後の懸念材料はあるのか。時系列データを交えて解説する。