――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  ロシアとウクライナの紛争、そして予想外に強力な西側の反応は、中国にどう見えているのだろうか。エネルギー面では長期的に有利に働く可能性があるが、金融面では大きな懸念がある。  中ロ同盟の芽生えはともかく、欧米による制裁をロシアに有利な方向に弱めようと、中国が全力を尽くす公算は小さい。中国自身の技術・金融の覇権を脅かすリスクがあるからだ。中国はこの先、同様の協調制裁を受ける可能性から身を守る動きを強めるだろう。だが、人民元の高度なコントロールを維持する意欲は、引き続きその妨げとなる。