ロシアが先月24日、ウクライナへの侵攻を開始すると、中国政府はウクライナ国内に滞在中の約6000人の自国民に対し、中国の国旗を目立つように示して安全を確保するよう指示した。しかし情勢は深刻化し、ウクライナ国民は「中国はロシアのプーチン大統領の側に付いた」と受け止めるようになった。ウクライナの首都キエフにある中国大使館は最初の指示から2日もたたないうちに、中国人であることが分かるようなものは見せないよう新たに勧告した。この180度の方針転換は、中国政府がウクライナを巡り、微妙な綱渡りを演じていることを示している。中国は独裁色を強めるロシアとの友好関係の強化に努める一方で、全ての国の主権を擁護すると主張している。