約600本ある投資信託の中で
「つみたてNISA」で買えるのは、201本

 前述したように、「つみたてNISA」で購入できるのは、投資信託だけです。しかも金融庁がお墨付きを与えた、資産作りに適すると思われる投資信託に限定されています。

 その数は、2021年10月25日時点で201本(その内、ETFは7本)です。同年10月末時点の、国内で設定・運用されている投資信託の本数が全部で5911本ですから、大幅に絞り込まれています。

 これは逆の見方をすると、資産作りに向いている投資信託は、たったの201本しかないと金融庁がみなしていると捉えることもできます。

 投資信託というのは「器」です。中身をどんな構成にするかで、性格がかなり違ってきます。

 サッカーのチームが選手構成によって攻撃的なサッカーをするのか、守備的になるのか、というのと同様に、中身が日本株で構成されているものや米国や欧州などの先進国の株だけのもの、新興国だけのものなど、構成する銘柄で値動きも全く違ってきます。エリアの違いだけでなく、債券や、不動産といった投資対象も混ざって構成されているものもあります。

 ですから、種類も千差万別、いろいろな特徴がある投資信託を選ぶのは、とても難しいと感じることでしょう。

 でも、大丈夫です。将来に向けて少額から購入できて、「資産作り」ができる良い投資信託を選ぼうとすると、ぐっと数が減るからです。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700 億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。