つみたてNISAはアクティブ系投信がお勧め、なぜかインデックスが主流の裏事情写真はイメージです Photo:PIXTA

「つみたてNISA」に関する多くのコラムや書籍では、総じてできるだけ低コストのインデックス系ファンドを選択することが無難である旨が書かれています。その考えは間違いではありませんが、そもそもなぜアクティブ系が少数派なのか、制度の実態を知るべきでしょう。私はあえてアクティブ系での運用を提案します。(セゾン投信代表取締役会長CEO 中野晴啓)

最も重要なことは、どの投資信託を選ぶか

 2019年に、俗称「年金2000万円報告書」が騒動になって以降、長期資産形成の必要性への認識が世間一般に広まっています。とりわけ一般生活者にとってその中核となる制度である「つみたてNISA」の認知度はうなぎ上りで、参加者の7割が40代以下と現役世代を主役に361万口座(※1)を超えました。
※1 金融庁:NISA・ジュニア NISA口座の利用状況調査(2021年3月末時点)

 注目が高まる「つみたてNISA」ですが、その制度設計思想の中核は、非課税期間20年。つまり20年の期間をフル活用して長期で投資を継続することへの行動誘導にあります。

 そして名前の通り、積み立て投資が参加の必須条件なので、一般的には毎月上限3万3000円をめどとした毎月定時定額での長期積み立てが投資行動の前提になっているといえましょう。

 さらなる特徴としては、同制度への登録要件を満たした投資信託(一部ETF)のみが投資対象に限定されていることがあります。つまり、毎月積み立て投資で最低20年(やがて制度の非課税期間が無期限になることも想定すれば)、いわば生涯にわたって長期間で安定的な資産形成に資する投資信託選びが最も重要なことなのは言うまでもありません。

 しかし、今、世の中にあふれている「つみたてNISA」に関連する記事や書籍を見ると、圧倒的にインデックスファンドをすすめる主張が多い状況です。制度の歴史と実情を知ると、他の選択肢も見えてくるのではないでしょうか。