――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター ***  ロシアがウクライナに侵攻して2週間近くが経過するなか、悲惨な状況から三つの側面が浮かび上がってきた。まずはロシアの残虐性がさらに度を増していること。ウクライナが依然として感動するほど粘り強い抵抗をみせていること。そして西側諸国が戦闘の行方に影響を与える能力は、いらだたしいほど限られているということだ。  ウクライナは奇跡的にどうにか勝利を収めつつあるのかもしれないし、単にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が想定していたより緩慢なペースで敗北に向かっているだけかもしれない。